私の仕事と結婚
「だってそうでしょう?こんな年下のかっこの良い男が、仕事の事しか考えてない娘と結婚したいなんて、親はびっくりするじゃない。」

確かにその通りで、私は言葉も出ない。

すると典弘は真顔になって、母の顔を見た。

「私はまず歩夢さんの仕事の姿に引かれたんです。4年間、仕事上で彼女を感じてきました。もうその時点で、歩夢さんの人間性に魅せられていました。そして個人的にお付き合いをするようになって、もう間違いないと確信するようになったんです。お義母さんは歩夢さんで良いのかと私に聞きましたが、私は歩夢さんじゃないとダメなんです。」

お父さんとお母さんは顔を見合わせる。

「歩夢は素敵な人と出会えたんだね。」

お父さんが優しく私に微笑んだ。

お母さんは典弘に同じように微笑んだ。

「ありがとう。やっぱり娘の事が心配で、嫌な言い方になっちゃったかしら?これからも歩夢の事、お願いしますね。歩夢は仕事の事になると、周りが見えなくなるくらいのめりこんじゃうから。」

「その辺の事はよくわかっているつもりです。だからこそ、兄も自分の設計事務所に歩夢さんを誘ったんだと思っています。」

すべて丸く収まって、典弘と実家を出る。
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