私の仕事と結婚
「あ~、緊張した。」

典弘は天を仰ぐ。

「お疲れ様でした。」

私は典弘を労った。

「そういえば、私は典弘のご両親に会わなくて良いの?」

その途端、ちょっと難しい顔をする典弘。

「両親は海外に居るんだ。もう俺からも兄貴からも連絡はしてるんだけど。何しろ忙しい人達だから…。」

「えっ?」

「野崎工務店って知ってる?」

日本でも有数の住宅メーカーだ。

えっ、もしかして…?

「そこの社長してるの。うちの親父。」

びっくりなんてもんじゃない。

何で何で??

驚いて声も出ない私にすまなそうな顔をして典弘は言う。
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