私の仕事と結婚
「歩夢、少し痩せた?」

つぶやくように言う典弘。

「典弘こそ。」

お互いの顔を見て笑ってしまった私達。

「どんなに歩夢に嫌われたって、俺には歩夢が必要な事がこの3か月でイヤってほど分かったよ。歩夢、ちゃんと話をさせて。」

「うん、分かった。」

そういうと、私の手を引いて典弘は車の方へ私を連れていく。

駐車場で、帰宅しようとする横山さんとばったり。

「野崎さん、桜井は退職を撤回するみたいですが。」

そう典弘に横山さんが声をかける。

「その件に関しては、これから決定しますので保留でお願いします。」

「分かりました。頑張って説得して下さいね。あんなひどい状態で桜井に会社に残ってもらっても、こちらも困りますんで。」

横山さんは私を笑いながら睨むと、

「俺にも持っている人がいるんで、急いで帰ります。」

と去って行った。
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