私の仕事と結婚
典弘は首を傾げて、私の顔を覗き込む。

「さっきも言ったけど。歩夢は俺にはもう必要な人だよ。3か月会わなかっただけでこのざまだ。そういう歩夢はどうなの?」

「こんな頑固で、勝手に怒って、仕事にのめり込んじゃう女…、いつか嫌に…。」

言葉の途中で典弘に口を塞がれた。

長くキスされた後、典弘は一旦離れると、

「どんな歩夢でも良い。もう離れないでくれ。もう失いたくない。」

そう言って、さらに唇を重ねてくる。

私は典弘の首に手を回した。

「私も典弘と一緒に居たい。結局それが答えだったの。あなたのご両親の事なんてどうでもよくなっちゃった。」

どれぐらい車の中で抱き合っていたんだろう。

急に典弘は私の体から離れると、車のエンジンをかけた。

「歩夢、うちに行こう。」

その言葉に私は素直にうなづいた。
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