私の仕事と結婚
「そうなんですか。私と横山さんが組んだ年からずっとあの会社の担当は野崎さんかな。確かに仕事は出来るとは思いますが…。」

「今年26になったらしいが、出世欲が全くないらしい。不愛想だが、常識がないわけでもない。ちょっと頑固でマイペースな男らしい。」

「そういえば、もっと早く会っていてもおかしくなかったんですよね。」

「そうだろう。発注担当に人間関係は関係ないと全く他の会社の担当者とは会わないらしい。それが初めてうちの会社に出向いたって、あちらの会社では驚きだったらしいぞ。」

そんな頑固な感じは受けなかったけどな。

私も電話ばかりだったから、そんなに気にかけても居なかったし。

「桜井はいつも野崎さんとどんな会話をしていた訳？」

興味があるような顔をして横山さんに聞かれた。

「無駄な話は全くですね。純粋に発注の話だけですね。」

「その上司の話では、よっぽど桜井と気が合うんじゃないかって言っていたけど、そうでもなさそうなんだな。」

つまらなそうな顔をして、横山さんは私を見た。

そういえばこないだ顔を合わせた時、連絡するように言われた。
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