私の仕事と結婚
「そうそう、俺プロポーズしたよ。」

横山さんはいつもと違う表情で話し始めた。

「彼女さんはどうでしたか?」

「それがさ…。」

ちょっと難しい顔をする横山さん。

「もしかして遅すぎるって断られたとか?」

私は恐る恐る横山さんの様子を伺う。

「言った瞬間、涙をボロボロって流されてさ。ありがとうって言われた。だいぶ我慢してくれてたみたいで、こいつを選んで良かったなって思ったんだ。」

「おめでとうございます!」

私は思わず叫んだ。

「多分このタイミングだったんだと思う。これ以上早ければ俺がダメになっていたし、これ以上遅ければ彼女が待てなかったんだと思う。」

美奈の件も考えると、本当に結婚ってタイミングなのかもしれない。

「こないだ桜井と話してみて良かったよ。俺のプライベートが忙しくなると、桜井にもしわ寄せがいく事も多くなるだろうが、これまで通りフォローよろしくな。」
< 25 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop