私の仕事と結婚
「そう、だから邪魔するなよ。」

「はいはい、じゃああっちの個室使って。」

そう言いながら店長さんは案内をしてくれる。

私は訳が分からないまま、野崎さんと店長の後をついていく。

「桜井さんは飲めますか?」

野崎さんにそう聞かれ、

「はい…。」と答える。

「じゃあ、とりあえず生中で。料理はお前に任せるよ。」

「了解。桜井さん好き嫌いはありますか?」

「大丈夫です。」

「じゃあ、ごゆっくり。」

店長はニッコリ笑うと出て行った。

「あいつは俺の学生時代の友達です。」

お手拭きで手をふきながら、野崎さんは話し始めた。

「あの…。」

私は恐る恐る野崎さんを見つめた。
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