私の仕事と結婚
そんな心配をよそに、その日の契約のハンコはものの30分で押された。

「横山さんと桜井さんの事を信用してるから、もう迷わないわ。」

施主さんと奥様はニッコリ笑う。

その勢いでユニットバスの色もすぐに決まると、1時間後には私達はその家を出ていた。

「拍子抜けしちゃいまいましたね。」

「こんなすんなりいくとはな。」

二人でニッコリと笑う。

「桜井、どこかで飲んでいくか?」

横山さんは私に言う。

「会社に一度戻らなくても良いですか?」

「ああ、ちゃんと直帰にしてきたからな。契約のささやかなお祝いといこうか。最近立て続けに契約が取れたからな。ご馳走するよ。」

そういえば最近すごく忙しかったな。

「喜んで。」

私は横山さんについて行った。

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