私の仕事と結婚
「なんですか？」

じっと私の顔をみる野崎さん。

「どうして私なんですか？仕事上の電話しか話した事ないですよね？」

やっと口に出した言葉はこれだった。

「それは俺にも説明できないです。でもずっと俺の中で考えていて、やっぱりあなたしかいないって動きました。ここまで4年もかかってしまってるんです。」

「それって…。」

「俺は初めての電話で言葉に出来ない何かを感じてここまで来ました。俺は仕事のやり方をあなたに教わったようなものです。俺は基本的にマイペースで、人に動かされる事なんてないと思ってました。正直、それだけあなたは俺にとって影響力が大きいんです。」

「はぁ…。」

でも私にとっては、そんな事は野崎さんの勝手な思いだというだけで…。

「彼氏はいるんですか？」

きりっとした顔で、話題を元に戻す野崎さん。

私は首を横に振る。

「そんな人はいません。今は仕事だけで手いっぱいなんです。」
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