私の仕事と結婚
そう言って仕事を理由にやんわり断る方へ持って行こうとする。

「じゃあ、いいじゃないですか！俺と付き合って下さい。」

何でそうなるの？

私の目論見は外れてしまったようだ。

「あの、ですね。野崎さんのお話を聞いてると、私の意志は置いてきぼりじゃないですか。」

「どうしてですか？ちゃんと俺は交際を申し込んで、その返事を待っているじゃないですか。」

冷静に受け応えをする野崎さん。

「でもまだそんな段階じゃないと思うんです。私は野崎さんの事を全くと言っていいほど知らない訳ですし。」

「桜井さんならそう言うと思ってました。では俺を知る所から始めてくれませんか？」

私は改めて野崎さんを見た。

やっぱり今風のイケメン君だよね。

彼ならすぐに彼女くらい出来そうなのに、何もこんな年上の女に迫らなくても…。

「俺にチャンスを下さい。」
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