私の仕事と結婚
「確かにそうかもしれません。」

ビールの量も増えて来て、私もだんだん普段の姿をさらしていく。

ついつい仕事に対する思いを熱く語り過ぎた。

「すいません。ついしゃべり過ぎました。」

私は目を伏せる。

「大丈夫ですよ。俺はそんな桜井さんの姿が見れて嬉しいです。」

「ムキになって恥ずかしいです。」

私は頭を下げた。

「俺は俺なりにあなたの仕事に対する姿勢を理解しているつもりです。今日話していて確信に変わりました。分かっています?今何時か。」

私は慌ててスマホを鞄から取り出した。

「えっ?もう終電が…。」

ニヤニヤ笑う野崎さん。

「時間を確認するのを忘れるぐらい、俺といる事が自然だったって事ですよね?」

あっ…!何だかやられたって思った。
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