私の仕事と結婚
すると野崎さんが個室のドアを開ける。

「分かってました?もう俺達しかいないんですよ?」

空っぽの店内。

店長さんがお掃除をしていた。

「あっ、話は終わりました?そろそろ帰らないと桜井さんは大丈夫ですか?」

なんて事!

「すいません。ご迷惑おかけしまして…。」

「いいえ、こいつが来ると二人で遅くまで飲んでることもあるので。」

「送っていきますよ。」

野崎さんが鞄を持つ。

初めての人と話してて、時間を忘れてしまうなんて…。

「私の分はお払いします。」

私が慌てて財布を出そうとすると、

「俺が桜井さんを引っ張ってきたんだから、払わせて下さい。」

と野崎さんに手で制される。
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