私の仕事と結婚
そこにはユニットバスを搬入する人達に混じって、野崎さんが居た。

「こんにちは。現場で会うのは珍しいですね。」

横山さんが野崎さんに話しかける。

「いつもは搬入中にはなかなか来れなくて。今日は時間が合ったので、現場の人達と来ました。ちょっと特殊な部分もありましたし。」

野崎さんはそう言うと、今度は私の方を見た。

「今日はお二人で確認ですか?」

「たまたまこちらも時間が合いましたので。」

私なりに野崎さんに対して、落ち着いて対応出来たみたい。

そんな私に、ちょっと拗ねたような表情をわざと見せる野崎さん。

私達3人は現場作業の邪魔にならないように、話をしながらその様子を覗き込む。

その後、横山さんがファイルを私に手渡す。

「ちょっと両隣に挨拶に行ってくる。少し現場の確認をしておいてくれ。」

私がそれに目を落とすと、横山さん自身が気になっている点を書き出したメモがあった。
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