私の仕事と結婚
「ここですか。」

それに頷く野崎さん。

「私の会社、すぐそこなんですけど。」

「はい、知ってます。」

そう言いながら、部屋の中に通される。

「だから思ったより、俺はあなたを見ているんですよ。」

ソファに座るように言われて、恐る恐る腰を掛ける。

「コーヒーで良いですか?インスタントですけど。」

私はドキドキしながら、頷く。

男の人の家に入るのなんて、いつ以来だろう。

ちょっと乱雑な部屋。

「まさか今日あなたがここに来るとは思ってなかったから。正直、相当散らかってます。」

少し恥ずかしそうな野崎さん。

私は首を横に振る。
< 59 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop