私の仕事と結婚
「私にも構造の事教えて。私も少し図面は引けるんだけど、どちらかというと内装とかインテリアが専門だから。」

「そうやってさらに施主を喜ばすわけだね。」

野崎さんが優しく微笑む。

「そうなると良いわね。」

そう微笑み返した。

「そういえば、時間は大丈夫?」

「えっ?今は何時?」

「もう11時過ぎている。送っていくよ。」

またやってしまった。

こういう事にだらしない女だと思われちゃうかな。

「俺も気を付けないとな。あなたと話していると時間を忘れてしまう。」

野崎さんは車を出してくれた。

「私の家からよりここからの方が会社が近いなんて、損してる気分。」

助手席で私は愚痴る。

「まあ、そんな事言わずに今日のところはちゃんと自宅に帰って下さい。どうしてもって時は泊めてあげるから、遠慮なく言って。別にそんな事がなくても、桜井さんが良ければお泊めしますが。」
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