夏影
「はい」

千影は短く返事をした。

「よし」

竹本はニッコリ笑った。

クラスでは見たことのないような、素直に喜んでいる笑顔に、千影は少しドキリとした。


「じゃあ、始めるか!」

「は、始めるって、何を?」


ドキリとした自分にドギマギしている千影に、竹本は

「進路相談~。そのためにお前を探してたんだよ!昨日提出の調査表、出してないのお前だけだぞ?」

と言いニヤリと笑った。

クラスでよく見る、担任としての笑顔だった。
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