9歳差は、アリですか?
「知ってますが何か」
「何かって言われると何だろうって感じだけど…、どういう知り合いなの?単に気になるだけなんだけど、9歳も離れてるでしょ?」

9歳も、という所が強調された気がする。これも答えるべきなのか?疑うような眼差しで笹山を見た。

「後輩、です。ちょっとだけですけど、家庭教師もしてました」

嘘はついていない。ただ、付き合ってたという事実を端折っただけだ。勘付かれるのが嫌で素っ気なく言う。

「ふうん。嘘は言ってないね」

しかし、笹山の返しに固まる。その発言はまるで、全てを知っているかのようだ。何者だこいつ。立原は思わず笹山を睨むが、
ここでピンとくる。昨日の好きや、今までの積極さは何か裏があってわざとしていただけな気がする。完全にからかわれていたのだ。

「人に聞くなら課長も答えて下さい。はるっ、浅岡くんとどういう関係なんですか、どこまで知ってるんですか」

きつめの口調で言ったが笹山は余裕そうでにやりと面白がるように立原を見てくる。

「じゃあそろそろ、ネタバレに行こうか」
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