9歳差は、アリですか?
「ハルカは自覚ないけど、聞いた感じざっとこういう捉え方で間違ってない?」
「ええ、ただ一ヶ所だけ。あたしは未練たらたらではないです」
「嘘ー、違うの?昨日好きって言ったのはハルカの事じゃなかった訳」
「いえ、悠くんですよ」
「じゃあ未練たらたらでしょ」

分かっていないな三十路自称イケメン野郎は。立原はため息を吐いて笹山を向き直った。

「未練、じゃありません。分かってないですね。片想い、なんです。未練って諦めきれないとか思い切りが悪いとかそういうのですよね?なら、未練とは違います」

はあ?と困惑が顔に出た笹山に初めて勝った気がして優越感を味わう。

「どう言うこと」
「そんな事も分からないんですか?だから、自称イケメンで恋人いないんですよ」
「なっ、お前酷過ぎだろ!」
「今まで酷い事言ってきたのは誰ですか」

ぐっと押し黙った笹山に笑いを堪えた。なんとなく女の勘でフリーだろうと思ったが、図星だったようで目を泳がす笹山が面白い。散々人をからかった報いである。
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