9歳差は、アリですか?
しかし、浅岡の事を考えている時にちょうど笹山が声をかけてくるとは恐ろしい。顔に出ていただろうかと少し心配になるが、笹山はあっけらかんとしていたのでそうでもないようだ。

「俺的意外だな、立原さんってそういうのあんまりしなさそうだから、告白とか。面倒くさがりそうなのに」
「ええまあ普通だったら面倒くさくてそんな事しませんし、そもそも課長なんかにお話ししませんよ」

笹山ならいいかという変な諦めからか、イラっとは来るが冷やかされても特に反応しなかった。

「ハルカの事、好きなんだね」
「ええ、好きですよ。初めてですけど、人をまともに好きになるなんて」

笹山を見て、ふっと立原は笑った。

「まあお互いフリー同士、傷の舐め合いはやめましょう。課長も突かれると痛いですよね?」
「うるさいな、俺もてるんだからね!」
「へえ、そうですか」

笹山とどうでもいい事を交わし気が紛れて楽しいが、何か違う気がする。浅岡との心地よさとは比べられないからか。
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