9歳差は、アリですか?
少し考えるが、特に思いつかない。ハルくん、ハルちゃん、ーーー絶対ダメだろうなと浅岡をそっと見る。
「え、悠くん以外特にないけど」
「…あるでしょ、恋人っぽいの。涼子は俺を待たせたんだから…それくらい言ってよ。そのーーー悠、って読んでほしい…」
俯いて耳を少し赤くさせながら言う浅岡を見て、立原の方も顔が熱くなるのが分かった。呼び捨てとか、前までの彼氏の時は何の抵抗もなくできていたのに、なぜかすんなり言えない。それは本当に好きだからだ、意識し過ぎてしまうのだ。
「言って?」
「う、うん。はっ悠。あのね、」
「やばい…」
今にも溶けてしまいそうだ。火照りが止まず、心臓がうるさい。
「親御さんは?卒業式だし来られているでしょう?その、さすがにあたしと付き合ってるって聞いたらダメって言われない?」
「親?大丈夫だよ。俺が涼子の事好きって事知ってるし、今日は子供置いてクラスの他の母親たちとごはん行くんだって。ほとんどエスカレーターだから、感動的な別れってわけじゃないし、ほったらかしで遊んでる」
会話が尽きると心臓の音が耳に響いて余計に鼓動が加速する。恋人っぽすぎる、と周りからはそうは見えないが本人たちは甘々な雰囲気で肩が触れるか触れないかでドキドキしていた。逆に不自然になり、そわそわして並んで校門を出る。
「涼子、ありがとう来てくれて」
立原より一歩先に浅岡は進んで振り向きざまに柔らかく笑った。それに応えて、立原も目を細める。
「悠、ありがとう待っててくれて」
当たり前、と余裕ある振りをして勢いに任せて浅岡は立原の手を取った。
「帰ろう?なんかお昼作って」
「ーーいいよ」
全神経を指先に集め、小さく指を絡めた。
「え、悠くん以外特にないけど」
「…あるでしょ、恋人っぽいの。涼子は俺を待たせたんだから…それくらい言ってよ。そのーーー悠、って読んでほしい…」
俯いて耳を少し赤くさせながら言う浅岡を見て、立原の方も顔が熱くなるのが分かった。呼び捨てとか、前までの彼氏の時は何の抵抗もなくできていたのに、なぜかすんなり言えない。それは本当に好きだからだ、意識し過ぎてしまうのだ。
「言って?」
「う、うん。はっ悠。あのね、」
「やばい…」
今にも溶けてしまいそうだ。火照りが止まず、心臓がうるさい。
「親御さんは?卒業式だし来られているでしょう?その、さすがにあたしと付き合ってるって聞いたらダメって言われない?」
「親?大丈夫だよ。俺が涼子の事好きって事知ってるし、今日は子供置いてクラスの他の母親たちとごはん行くんだって。ほとんどエスカレーターだから、感動的な別れってわけじゃないし、ほったらかしで遊んでる」
会話が尽きると心臓の音が耳に響いて余計に鼓動が加速する。恋人っぽすぎる、と周りからはそうは見えないが本人たちは甘々な雰囲気で肩が触れるか触れないかでドキドキしていた。逆に不自然になり、そわそわして並んで校門を出る。
「涼子、ありがとう来てくれて」
立原より一歩先に浅岡は進んで振り向きざまに柔らかく笑った。それに応えて、立原も目を細める。
「悠、ありがとう待っててくれて」
当たり前、と余裕ある振りをして勢いに任せて浅岡は立原の手を取った。
「帰ろう?なんかお昼作って」
「ーーいいよ」
全神経を指先に集め、小さく指を絡めた。