9歳差は、アリですか?
大学に上がり、制服を脱いだだけでだいぶ大人っぽくなった浅岡に立原も少なからずドキドキしていた。しかし隠すためにもどうしてもちょっかいを出したくなる。気を紛らわすというか、変に意識しないために。

「じゃあ、あたし適当に付け合わせ作るね。悠くんの方も少しでできるでしょ?」
「涼子!それダメって言ってる」

すぐ拗ねたような顔をする浅岡にドキっとするのを抑えて急いで訂正する。

「は、悠」
「よくできました」

満足げな顔にもときめいてしまう。正直今一番幸せかもしれない。しかし、立原的には、「悠」と呼ぶよりも「悠くん」の方が好きなのだが、浅岡はくん付けすると嫌がる。弟感が出るらしい。

「悠くんの方があたしは好きだけどな」

小さく主張してみるが、唇を尖らして拗ねた様子で無視のようだ。その姿にくすりと立原は笑った。

「だって、悠のお友達とかはハルカって呼んでるじゃない。それだと被っちゃうでしょう?悠くんって呼んでる子はいないからあたしは悠くんって呼びたい、かな?それに、悠くんがあたしのいない間に付き合ってた子も『ハルくん』だったしね」
「それはっ、涼子が悪いんだろ。俺ほったらかしで名古屋行っちゃうから…」
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