9歳差は、アリですか?
言う内容は決まっているが、どう言葉にすればナチュラルかを浅岡は考える。その時点で全くナチュラルではないが、立原が待ってくれているのに甘えてしっかり思いを巡らした。

「えっと、今度の涼子のまるまる休みの日を教えて欲しくて、」
「あたしの休み?ーーああそう!今度休みは珍しく明々後日なの。久しぶりの土曜休日よ。ゆっくりウチでご飯でも作って食べる?」

いつも休日は、立原の家で料理を作ってまったり過ごすのが常だ。しかし、浅岡は歯切れ悪そうに立原を見た。

「その事なんだけど…、いつもみたいに涼子の家でゆっくりするのもいいんだけど、涼子がよければ、よければだよ?」

浅岡は本題を言おうとゴクリと唾を飲み込んでしっかり立原に向き直った。

「俺とデートして下さい!」

突然の申し出に呆気にとられる立原を置いて、浅岡は続ける。

「付き合い始めてだいぶ経つけど、駅のカフェと涼子の家以外デートしたことなかったから、涼子がよければどっか一緒に出かけたい。…ダメかな?」
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