9歳差は、アリですか？

髪型は、折角パーマをかけたので、それを生かそうと立原はセミロングの緩いうねりを描く毛先を軽く束ねた。ここは変に気を衒った髪型にするのではなくシンプルに且つ、デート仕様に仕上げる。思わず、『デート ヘアスタイル』と検索してしまったくらいだ。

「これで大丈夫かな…」

姿見の前で心配そうに全身を見る。しかし、いろいろと焦っていたせいか、10時まであと30分を切っていた。それに気づき立原は慌てて鞄を見繕い、靴を選び、最後に玄関前での鏡で服装をチェックして家を出る。
いつも同じ最寄り駅を利用している為、今日はそこで待ち合わせだ。歩いてすぐである為時間には間に合うが、できれば浅岡より早く着いて待っておきたい。それで立原は早歩きで駅に向かった。
デートのためにかけたパーマがふわりと頬を掠める。その度、心拍数が上がる。本当に信じられない。

あたし、悠くんと付き合ってるんだよね、今日本当にデートなんだよね…？

手に少し汗をかく程緊張もしてくる。好きな人とのデートはこれ程にまで、ドキドキが止まらなくて、緊張するのに待てずにうずうずして、こんなにもーーーー早く会いたいと思うなんて信じられない。