9歳差は、アリですか?
スポーツドリンクを手提げからベンチの上に取り出し、高校生たちを呼ぶ。

「今日はお疲れ様です。何か皆さんが関心をこれで持っていただけたら幸いです」

まさに社交辞令を告げ、あくまで見学者として接する。そして、上司に言われていた写真を数枚撮る。誘われた為一枚だけ立原も入る。ただ、最後くらいは一社員としてではなく、と思い、帝都学院の先輩として軽く口元を緩めた。

「はい、今日あたしの退屈な話を辛抱して聞いたご褒美。自販機のやつだけど。これは、テレビ局社員としてじゃなくて、先輩として奢ってあげるだけだから他ではあんまり言いふらさないでね」

少しだけ素直にガキたちにスポーツドリンクを渡す。

「日がちょっと傾いてきたから、みんな気をつけて帰るんだよ」
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