9歳差は、アリですか?
「ほらあたしの肩も使いな。大学の保健室の方が近いからそっちに行こう、ね」
「お姉さん、ありがとうございます…」

お礼も言えるなんて、常識的な子。まだ幼い感じが諸に出ているが、当たりの良い中学生だった。可愛らしい感じだが、カッコイイにも当てはまるルックスで恐らくモテるだろう、しかも虐められた友人を探しに来てくれるという性格も男前っぷりだ。

「偉いね、優しいわあ。でも、相手殴り込みに行っちゃダメだからね。問題起こしたって君達が停学なっちゃうから。相手の名前教えて、お姉さんがなんとかするから、絶対に手ェ出したらいけないからね」

正義感の強そうなしっかりとした目で不服そうに立原を見上げてきたが、諦めたのかぼそりと「2年の岡田とかそこらへん」と言う。
偉いね、と頭を優しく撫でて笑いかけた。すると「ハルカ」の方もニッと笑い返して来る。人生で初めてコドモが可愛いと感じた瞬間である。

「涼子、意外ね。コドモ、ダメじゃなかった?」
「うん、ダメというか大っ嫌いなんだけど、なんかあの子はいけるのよ。ちょっと大人っぽいからかな?あ、ヨッシーの方は拒否反応起こるんだけど」

意外そうにする友人だが、一番意外で驚いているのは立原本人である。コドモ、意外といける…っぽい。

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