9歳差は、アリですか？

どうにかやり過ごしたが、急いで上司に協力を頼みに行く。廊下を走っていると、偶然上司に会え、挨拶するなり立原は手を合わせた。

「部長！あのお願いが。後でちょっと軽めの女が来たら今日は立原と飲みに行くって言ってくれませんか⁉︎お願いします、じゃないとあたし合コンに強制連行されちゃうんです！」

立原の合コン嫌いを知っている為上司は快く応じてくれる。心底助かった。何度も上司にお礼を告げ、立原はデスクに戻った。
なんだか一カ月分の精神力を使ってしまった気分だ。午後からは総理官邸に取材に行く為少しは体力を取っとかねばと、立原は残りの休憩時間机の突っ伏した。

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学校が終わると浅岡は、一番に教室を飛び出し、駅までダッシュする。今日は立原に初の手料理を披露するのだ。張り切らないはずがない。
2週間も前から、猛特訓して来たのだから失敗できないと非常に意気込んでいる。涼子さんも喜んでくれたらいい。
とんでもなく落ち着きがないまま、立原の家の最寄り駅からすぐのスーパーに入った。立原に連れられて、ちゃんぽんの材料を買いに来た所だ。

「ええと、唐揚げにはまず…」

独り言を言いながら、買い物メモを見る。まず鶏肉、ーー調味料と小麦粉とかは拝借しよう。あとキャベツ、それから卵でしょ。
カゴにとりあえず入れていく。