9歳差は、アリですか?
「悠くんあたしの事好き?」
「好きに決まってんじゃん。6年間もずっと涼子しか見てなかったんだよ?」
「だから、別れよう」

言っている意味が分からず、首を傾げる。

「悠くんあたししか見てないんでしょ?でも他も見てみなよ、あたし以外を。まだ高校生なのにあたしだけに縛ってる感じがして罪悪感がすごいの。だから一旦別れよう」
「そんなこと言われても、ずっと涼子が好きだよ?」
「そうだったらまた付き合おう」
「ーー涼子は?俺のこと好き?」

思わず口走ってしまったが、立原は申し訳なさそうな顔をした。ああ…、他がいるのか、高校生は対象外だったけど断るのが面倒だったとか、なんだろうな。

「それは…ーーー言えない」

つまり、恋愛対象として好きではない。ただの面倒くさい後輩だったのだ。

「ごめん、なさい」

それだけ言うのが精一杯で、浅岡は明るく振舞っていたが限界がきて、財布から紅茶代だけ出して席を立った。
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