9歳差は、アリですか?
面倒くさい全てが
ああ、悠くんに会いたい。合わす顔なんてないが。

ふらりと歩きながら、会社から当てられたアパートに帰る。しかし、社宅なので、笹山もいて会う可能性がゼロとは言えない。それで立原は、少し離れた方向にあるカフェに入った。

「アイスティーと…ブルーベリータルトを下さい」

デート、楽しかったな。と淡く思う。普通に好きだったブルーベリータルトも浅岡のおかげでで一番好きなケーキになったのに。再び涙が溢れそうだ。
携帯を握り店内を見回す。浅岡からメールこないかななんて、本当にバカだみたいだ。
文化祭も行きたかったな。なのにあたし。

「立原さん…大丈夫?」

なぜ笹山の声が聞こえたのか分からないがしっかりと隣からする。なぜここにいるのか、ストーカーかなんか?

しかし気付くと実際に涙が溢れていて慌ててナフキンで拭った。笹山はいないものとして運ばれてきたブルーベリータルトに手をつける。酸味があって、コーティングのゼリーの甘さとマッチしてクッキー生地のサクサク感がブルーベリーの食感にあう。
はずだったのに、

「まずい」

涙のせいか味が分からない。
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