幻恋【続】

…そして、川崎先輩からの答えは、“ノー”だった。

なんでですか？と理由を聞くと、

『もう彼女がいるから』

と言われた。

そして、その週の休日のある日に出掛けると、その出掛けた先に春華先輩がいた。

春華先輩は一人じゃなくて、隣には男の先輩がいた。

その先輩は、私の告白を断った川崎先輩だった。

これで、もう失恋決定。

川崎先輩の彼女は春華先輩。

春華先輩の彼氏は川崎先輩。

失恋の辛さを初めて知った日だった。


そして、新学期。

４月の半ばに、私は髪を切った。

腰辺りまであった長い髪を、マッシュボブに切り、長い髪に合わせて伸ばしていた長い前髪も、眉上のパッツン前髪に、綺麗に切り揃えた。

この事をまさに“バッサリ”と言うのであろう。

何故切ったか。

それは、失恋もあるけど、一番の理由は、見た目だけでも春華先輩みたいになりたかった。

＝この髪型は春華先輩の髪型とほぼ同じだった。

でも私は、この髪型にして良かったと思っている。

失恋は辛いけど、これで少しでも前に進めそうな気がしたから――。


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