幻恋【続】
えぴろーぐ。
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……あ……れ…?
…こ、こは、どこ……?
どこを見渡しても、真っ暗闇。
チャプチャプと、水に浸かっているような感覚に襲われる。
すると突然、遠くから何か聞こえた。
よく耳を凝らすと、それは何とか聞き取る事が出来た。
“……ぉーぃ、お母さんだょ……”
“お父さんだよぉ……”
“ぁはは……ヤストったら……”
“…んだよ、俺がそんな事言ったらなんか悪いか……”
“悪ぃ~……”
“何だとぉ~……”
何だろう……なんか、聞き覚えがある。
この優しくてホッとする声。
君は……
駄目だ……思い出せない。
でも…君と僕は、いつか会ってるよね?
“ははは、バカだろ、ハルカ……”
“バカじゃないもんっ……!”
ハ…ル…カ……?
やっぱりなんか覚えがある…。
でも…やっぱり、思い出せない。
その途端、凄い睡魔が襲って来た。
はぁ…眠いし、ひとまず寝ようかな。
僕は、静かに目を閉じた。
「…ふふふ。
早く、元気に生まれて来るんだよ…。
私の、赤ちゃん。」
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