幻恋【続】
「あ… あのさ、クラスが違っても、色々違う場でも喋れたりする訳だし、別に良くねぇ?」
「え~、だめ!
クラス別れたら、実習とかも別になっちゃうじゃない!」
実習って……。
そんな場で沢山喋れねぇだろ。
「もう、寧人はわかってないなぁ!
クラス編成は、すっごく大事だよ!?」
「はぁ… そうなのか?」
「そうだよ!」
春華は夢中な表情で俺に言ってくる。
そんな事言ってる間に、駅に着いてた。
大学近くの駅で下車して、五分程歩いて、俺たちの進学する大学に着いた。
校門から敷地内に入ると、まずは春華があれだけ熱心に言ってた、クラス表を見に向かった。
貼り出されたクラス表に、春華は夢中で食い付きながら、素早く自分と俺の名前を探している。
「あっ、私の名前あったよ!」
春華が自分の名前を指差しながら言う。
俺も、自分の名前を探す為に、クラス表に目を走らせる。
…見つけた。
俺の名前があったのは…………
…春華と同じ枠の中に……あった。
「きゃ~、寧人!
同じクラスだよ!!」
春華が飛び上がって喜んでいる。