幻恋【続】


「! お前…」

川崎君がびっくりしているけど、そんなの今の私には通用しなかった。

「諦められない。
川崎君が、どうしても諦め切れないの」

Aちゃんに対する嫉妬心。

この願いが叶わなくても、川崎君に触れたくてたまらなかった。

つまり…これははっきり言ってしまえば、私と川崎君のセックスって言うものと言う事になる。

そして、川崎君の場合は…状況を知らない場合、誰がどう見ても“浮気”と判断されてしまうだろう。

「ねぇ…川崎君……どうして?
どうして、私の事好きじゃないの?」

「……」

一番聞きたかった質問を聞いてみたものの、川崎君は無言だった。

すぐに拒絶され、やめろって怖い顔して振り払われるかと思ったけど、川崎君は、決して私を振り払おうとはしなかった。

そんな良い所で………邪魔者の登場。

「…寧人」

川崎君の事を可愛らしい声で呼んだ子。

川崎君の事を名前で呼ぶ女の子は………少なくともこの学校では一人しかいない。

そう………Aちゃん。

Aちゃんは、今日も川崎君と一緒に帰る予定で迎えに来たのだろうか。

張本人は、驚きを隠せない様子。

















< 9 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop