あすなろ
チーン……


病院のエレベーターのドアが開いた。

回想中の僕はハッとし、慌てて降りた。


降りると同時に溜め息をついた。



彼女の病室は一番奥にある。

長い廊下が歪んで見える。


僕は負けないように真っ直ぐ歩く。期待と不安を抱きながら。


美優はどう出迎えてくれるんだろう。



瞳をキラキラさせながら、

「けい!来てくれたんだ♪」

って出迎えてくれる。そんな淡い期待を抱いた。


頼む!記憶よ戻れ。
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