あすなろ
病室のドアの前にたどり着く。


ふぅ…


一度大きく呼吸して心の準備をする。


コンコン……


『入るよ?』

『どうぞ。』


彼女のか細い声が聞こえてきた。


ドアを開け中に入る。


『また来てくれたんだ。ありがとう…』


美優の頭には包帯が巻かれている。





最初の声のトーンでわかる。

僕の淡い期待は一瞬でかき消された。
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