あすなろ
『今日は天気がいいね。』

『そうだね。』

俯きながら美優は答える。


ベットに腰掛けるように座っていた。

ただ座っているだけなのに品がある。


目が合うと、今だに僕は彼女から目を離せない。


ベットの隣にある机には電源を切った携帯が置いてあった。ダサい魚のストラップがついている。


僕はこの魚だけが心の支えだった。
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