小さな恋物語



お腹がたまらなく痛い…。


せっかくの休み、一人でゆっくり映画を観に行こうと楽しみにしてたのに。
夜中から生理が始まってしまって、久しぶりに生理痛が酷い。
お腹も腰も鈍痛で薬も効かないし、頭も痛い。



「おばちゃーん、邪魔するよ」

「あら瑞樹くん。芽々、お腹痛くて寝てるわよ?」

「え、まじで?昨日の夜、明日映画行くって言ってたから着いてってやろうと思ってたんだけど。…まぁいいか。おばちゃん、ちょっと部屋行ってくる」



うとうとしかけたところに、瑞樹の特徴のある声が聞こえてきた。
瑞樹のやつ、またリビングの窓から入ってきたな…。

玄関は鍵が閉まってるから昔からいつもリビングの窓から入ってきて、帰りは玄関から出て行く。

トントンと階段を上る足音が止まって、ガチャッと勢いよくドアが開いた。
ノックしろと言っても昔から全然直らない。


「おーい、生きてる?お腹痛いなんて何か悪いもんでも食った?」

アッハッハと大きな笑い声に目を開けると、大口を開けて笑っている瑞樹の顔が見える。
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