小さな恋物語
ミルクチョコレートとホワイトチョコレートでそれぞれ作った、ハートのチョコレートが一つずつ。
「さっき作ってたのって、もしかして…」
「そうだよ。つかお前、俺にくれたチョコ、ハート形だったろ。七未からもらうチョコでその形は初めてだった。だから俺、期待したよ」
バレンタインデーの日、七未は例年通り俺にチョコレートをくれて、でもすぐには開けるなと言われた。
七未が帰ってから開けてみると、箱の中にはハートの形をした小さなチョコがいくつも入っていた。
俺は七未の手をギュッと握った。
「ガキの頃からずっと好きだったんだけど、もう幼なじみは終わりにしない?あのチョコを見て、七未も俺のことを好きなんじゃないかって…思ったんだけど」
七未は涙をぽろぽろこぼしながら、それでも笑顔になる。
「私だって昔からシゲのこと好きだったんだよ。でもフラれたらと思うと言えなくて…だけどやっぱり好きだから、シゲなら気づいてくれると思って。ハートのチョコにしたの」