小さな恋物語
七未の隣に座り直すと、しっかりと抱きしめた。
髪の毛に指を通すと、ふわふわしていて触り心地が良い。
「シゲ、何にも反応見せてくれなかったから落ち込んだんだよ、私」
「だって嬉しすぎて恥ずかしくてさ…。ごめん」
体を離すと、七未は俺を見上げて上目遣いになっている。
確かに少し化粧が崩れているけど、それも含めて全部可愛い。
七未の頭に手を添えて引き寄せると、唇を重ね合わせた。
俺がずっと望んでいた行為が、今ようやく叶った。
唇が離れると、七未ははにかんだ表情になっていた。
「シゲ、ありがとう。ずっと好きでいてくれて」
「こちらこそ」
もう一度しっかりと七未を抱きしめた。
俺たちはようやく、幼なじみの先へと進み始めた。
End