小さな恋物語
長島晴翔、22歳。
新卒で入社したピカピカの社会人一年目。
背が高くて爽やか、整った顔立ちの上に驚くほど顔が小さい。
女性社員はもちろん、人当たりが良いから上司からも可愛がられている、らしい。
だけど私にとっては気持ちをかき乱す存在でしかない――――。
色んなことを考えながら駅に着くと、いつもとは反対側のホームに向かった。
ここから3つ先の駅からほど近い居酒屋が“いつものところ”なのだ。
個室がある上、長島くんの家にも近いという危険いっぱいの場所。
それでも断わらずに向かっているのはきっと、私がそれを望んでいるからだ。