小さな恋物語
そもそもの始まりは三ヶ月前。課の飲み会でのこと。
最初はみんなでわいわい飲んでいたけれど、そのうち誰かが酔い潰れたり、帰ったり、どんどん人数が減っていって。
私もそろそろ帰ろうと、グラスに残っていたお酒を流し込んでいたとき、トイレから戻ってきた長島くんがすとんと私の隣に座った。
『さっき、聞こえちゃったんですけど。彼氏と上手くいってないんですか?』
先に帰ってしまった同期の友達としていた恋愛トークが、少し離れた席にいた長島くんの耳に入っていたらしい。
お酒が入っていたこともあって、あまり会えていないことや度々すっぽかされることをつい話してしまった。
私からすれば真剣なことではなく、ツレない男と付き合っているという笑い話になれば、というノリだったのだ。
けれど長島くんはとても真面目な表情で言った。