小さな恋物語
去年仕事で凡ミスをしてへこんでいたときに、当時ほとんど話したことのない高木先輩がフォローしてくれた。
そしてその仕事が何とか形になって終わったときに、高木先輩はニッコリ笑って私の頭をわしゃわしゃ撫でて言った。
『誰だってミスするしさ、俺もそうだし。上司だってみんなそうだよ。だから気にすんな。間違ったらやり直せばいいんだから。分からなかったらいつでもいいから聞け』
こんなに優しくされて落ちない女はいないよ…。思わず顔が赤くなるのが分かって、頭から手が離れると頬をおさえてバレないように必死だった。
『そうだ、ちょっと待っとけ』
小走りに自分のデスクに戻ると、コンビニのビニール袋をガサガサと漁ってまた私のところへ戻ってきた。
目の前に出されたのはシュークリーム。
しかも季節限定の苺のやつ。