小さな恋物語




「うまっ!やっぱコレだわ。理央ちゃん天才」

「ホント調子いいよね。連絡してくるの、カレーが食べたいときだけだもん」

「だって自分で作るのは面倒だし、レトルトは嫌いだし。それなら理央のとこ来たほうが早いじゃん」

「早いってね、こっちは作るのに時間かかるの。光は食べるだけだからいいけど」


光は細いのによく食べる。痩せの大食いってやつ。


私たちは高校から大学まで同じで、高校3年間はずっと同じクラスだった。

光からは時々、カレー作ってとメールがくる。文章だけの簡潔なメールで、それは面倒くさがりの光らしいメールなんだ。


高校時代、キャンプに行ったときに私が作ったカレーを光が気に入って、私が実家に住んでいたときは私の母が作る料理を食べに来たことも数え切れない。私がいない時でも平気で来て、母と仲良くなっていたし。

お互い就職して一人暮らしになった今も、変わらずこうして私の家に食べに来る。
< 37 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop