小さな恋物語
「へー。そんなこと言うんだ。理央は言えるほど男と付き合ってないでしょ」
「うるさいな。カレー返せ」
「もう食っちゃったもん。おかわり!大盛りでね」
満面の笑みでお皿を渡されたら断れるわけないわ…。光はずるい。
それに光がこんなふうにやたら明るいときは疲れているときだと知っている。
普段は飄々として掴みどころのない性格だけど、そう見えるだけで本当はやんちゃで優しい性格。
光が怒っているところなんて見た事がない。
色んな感情をお腹の底に溜め込んで、それを私の作るカレーで消化出来るならそれでいいと思う。だから私は光の望む通りに、今日もカレー作った。
何でもないようなことを話しながら食事をして洗い物を済ませて戻ると、光は満足そうな表情で私のベッドに寝転んでいた。