小さな恋物語
「ちょっと光!ベッドに寝ないで!汚れる」
「別に汚くねーよ。ここに来るまでずっと家にいたし」
「そういう問題じゃない!どけ!」
光のお腹にパンチを一発お見舞い。
「いてっ!やったな」
この歳にもなって変わらずにこんなにくだらない事で揉み合う私たち…。
情けなさに気づいたと同時に私はバランスを崩して、光の上に倒れ込んでしまった。
左胸からドクドクと規則正しいリズムが聞こえてくる。
「ごめん…」
体を起こそうとしたとき、私は腕を掴まれて一瞬で光の下にいた。
光はしっかりと私の両腕を押さえつけて、男の顔をしている。私が見たことのない表情。
「ひ…かる?」
「理央はどう思ってるか知らないけどさ、そういう隙のあるところ、男に狙われやすいから。俺以外には見せんな」
「…今みたいにふざけたこと?そんなの光としかやったことないけど…」