小さな恋物語
「私なんか何の取り柄もないし…いつもこんな感じで、先輩みたいに明るくないし…素直じゃないし」
「うん。それで?」
不思議そうに聞いてくるからおかしくなって笑ってしまうと、先輩もつられて笑った。
顔がくしゃくしゃになる。
「倉本先輩が好きです」
「あっ、ずるくね?不意打ちなんて」
「ちゃんと言わないとと思って」
先輩はいつもストレートだから、私もそんなふうになりたい。
「俺、亜実が好きだよ。気になって気になって仕方ない。これからはここじゃなくても、昼休みは一緒にいよう。そんで、放課後にデートしよう」
「はい」
それから私達は手を繋いで学校を出た。
これからは毎日、先輩と一緒。
End