小さな恋物語
「えっ、どうして私?私なんて5つも上だし」
「一目惚れです。初めて会ったときに可愛いなって思って。それで名前を聞きました。あ、でもアイツには言ってないんで安心してください」
弟は知らないのか…。それはそれで何だか複雑な気持ち。もし知られた時はきっと私はボロクソ言われるだろう。年下の、しかも弟の友達に手を出したと。
「いやいや、マズいって」
「年下だからですか?」
「それもあるけど…」
まだ未成年の、高校生の男の子とデートだなんて…。たまに弟と出かける事はあるけど。
「俺のこと、男として見られませんか」
ふいに立ち止まった橋本くんに、じっと見つめれる。いつも明るいのに、どうしてこんなに愁いを含んだ色っぽい表情をしているんだろう。