小さな恋物語
「ねえ、黙ってたんだけど、何でそのスニーカー買ったの?」
黒いスニーカーにはサイドに白いラインが入っていて、私は先週このスニーカーを買った。
今朝は気づかなかったけど、さっき電車で並んで座った時に初めて気づいた。
「オシャレだなーって思って」
「勇太、お揃いが好きなの?」
スマホのケースも色違いだし、体育のときに履いているスニーカーも同じやつ。それに色違いのリュックとこのスニーカー。
「美羽とだから」
事も無げに言うから何だか悔しい。私はまだドキドキしているのに。
「で?美羽はどうなの?俺を彼氏にする?」
「…悪くないかもね」
「何だよそれ」
勇太はちぇっとむくれている。
「美羽、手つないで帰ろ」
「うん」
私達はこれからも二人で一緒に帰る。
今日からは手をつないで。
End