小さな恋物語
「じゃあ、俺が侑美の家に行く?昔から一度も家に入れてくれないけど」
「だって実家だからね」
いくら仲が良いとはいえ、さすがに実家には連れて行けなかった。
「それならもう一緒に住む?」
「やめた方がよくない?だって私のスッピンに引くかも知れないし、イビキかいたり寝相が悪くてキックするかも知れないし、それに――」
優吾の顔が目の前に来たと思ったら、ほんの一瞬キスをされた。
「どんな侑美でもいいよ、好きだから。俺と付き合って」
「はい」
知らないことはまだまだ沢山あるけれど、どんな優吾も好きだから。
恋人ごっこはもうおしまい。
私達はもう一度キスをした。
End