小さな恋物語
僕の彼女は忙しく動き回っている。
日曜日で天気も良くて、出かけるにはちょうど良い。
それなのに僕はソファーで大の字。
実紅は僕が溜め込んだ大量の洗濯物を狭いベランダに上手く干して、それから布団や枕、クッションまで干してくれた。
この一ヶ月はとてつもなく忙しくて、家にはほぼ寝に帰るだけ。だから部屋が荒れるということはなかったのに、掃除をする時間がなくて埃が溜まっていくしどこか陰気臭くなっていた。
「良平、ちょっとどいて。ソファーカバー取り替えるから。天気いいし洗っちゃおう」
「やだ」
「やだじゃなくて」
実紅に腕を引っぱられて、鉛のように重たい体を起こす。気が抜けると体は驚く程に一気に疲れが出る。
「実紅、ごめんね」