初恋の人は人魚×アイドル!?
翌日
四人のアイドルはアイドルらしからぬことになっていた。
「もう⋯⋯朝か⋯⋯」
「いてて!腰が〜」
「にしても、ユータンのいびき凄すぎ。おかげで、寝不足なんだけどー」
「文句は俺じゃなくてあのくそ女にいえ」
そういってユータがあぐらをかいた直後、タイミングよく扉があき、扉の前にいたユータの頭に勢いよく扉があたる。
「いってええええ!!」
「あ、ごめんね。猿ごりくん」
わざとらしくそういうとスタスタと歩いていく莉音。
「あんの、くそ女⋯⋯」
ユータのいまいましげな声は莉音には届かなかった。
〜莉音〜
昨日のこともあって歩くスピードは自然とはやくなる。
アイドルがのぞきしようとかほんとありえない⋯⋯、などと思っていると駅前にさしかかり巨大ビルのテレビからニュースが流れてくる。
「ナギさんがもう一つのアイドルグループにはいることになりました!名前はHRN!グループ名はメンバーのイニシャルからきています!ナギをいれたコチラの三人、ルックスはもちろん歌もうまいということなので人気がでるのは間違いないでしょう!」
思わず立ち止まって画面を見上げる私。
「えっ?⋯⋯」
私の体から力がぬける。
その画面にうつっていたのは、風雅、れん兄、ナギだったから。
「ナギさんはこれから、HRNとSUNNY'Sの両方でご活躍するとか。前代未聞の取り組みですが、お気持ちのほうを」
そうアナウンサーにいわれて喋り出すナギ。
でも、その言葉は私の耳に届かなくて。
駆け出す。
ナギの元に。何をいおうとか何がしたいとかじゃなくて。
ただ、ひたすらに駆ける。
でも、そんな私の足も途中で止まる。
私、なにこんな必死になってんだろ。
ナギの恋人でも親しい友人でもないのに、何をいうっていうのか。
さっきの衝動なんて嘘みたいに消え失せてしまって私はUターンして、学校に向かった⋯⋯。
それから数日ーー。
ソラとナギは最近学校にきていない。
仕事のほうが忙しいようだった。
二つのグループを掛け持ちしてるナギなんて特にだ。
休み時間。
喋ったり動いたりという気力もなく、机に肘をついてぼーっと外を眺める。
ナギ⋯⋯今頃仕事してんのかね⋯⋯
「愛川~、先輩来てっぞ~」
剛田くんにそういわれ、
「あ~、わかった」
と返事をして立ち上がる。
部長とかかな?そう思って戸のところにいくとれん兄がいた。
同クラの女子のみならず他クラスの女子も集まってきていてキャーキャーいってる。
まあ、確かにれん兄イケメンさんだもんねー。校内でも結構有名人だし。
でも、いまやアイドル。人気ないほうがおかしいんだ。
「莉音、これ」
そういってれん兄が私の手に握らせたのはなにかのチケット。
「なに?これ」
「HRNのファーストライブのだよ」
と控えめな声でいうれん兄に対し、私は嬉しさで飛び上がってしまう。危うく奇声あげるとこだった。
「きて⋯⋯くれる?」
「いくっ!!!!」
「良かった。じゃ、待ってるからね。」
そういって微笑むれん兄に天にものぼりそうな気分になる。
「そういえば、今日部活は?」
「あるよ」
「じゃあ、部活終わったら校門のとこにきて。一緒に帰ろ」
そういってまたも微笑むと片手をあげてスタスタと去っていく。
心臓がドキドキいってる。
確かに今までもそういうのはあったけどなんか、これは初めて⋯⋯
あいつに対してなら何度か抱いたドキドキが自分を包んでいく。
私は女子達のビームのような視線も気にせずにほわほわとした気持ちで教室に戻った。
四人のアイドルはアイドルらしからぬことになっていた。
「もう⋯⋯朝か⋯⋯」
「いてて!腰が〜」
「にしても、ユータンのいびき凄すぎ。おかげで、寝不足なんだけどー」
「文句は俺じゃなくてあのくそ女にいえ」
そういってユータがあぐらをかいた直後、タイミングよく扉があき、扉の前にいたユータの頭に勢いよく扉があたる。
「いってええええ!!」
「あ、ごめんね。猿ごりくん」
わざとらしくそういうとスタスタと歩いていく莉音。
「あんの、くそ女⋯⋯」
ユータのいまいましげな声は莉音には届かなかった。
〜莉音〜
昨日のこともあって歩くスピードは自然とはやくなる。
アイドルがのぞきしようとかほんとありえない⋯⋯、などと思っていると駅前にさしかかり巨大ビルのテレビからニュースが流れてくる。
「ナギさんがもう一つのアイドルグループにはいることになりました!名前はHRN!グループ名はメンバーのイニシャルからきています!ナギをいれたコチラの三人、ルックスはもちろん歌もうまいということなので人気がでるのは間違いないでしょう!」
思わず立ち止まって画面を見上げる私。
「えっ?⋯⋯」
私の体から力がぬける。
その画面にうつっていたのは、風雅、れん兄、ナギだったから。
「ナギさんはこれから、HRNとSUNNY'Sの両方でご活躍するとか。前代未聞の取り組みですが、お気持ちのほうを」
そうアナウンサーにいわれて喋り出すナギ。
でも、その言葉は私の耳に届かなくて。
駆け出す。
ナギの元に。何をいおうとか何がしたいとかじゃなくて。
ただ、ひたすらに駆ける。
でも、そんな私の足も途中で止まる。
私、なにこんな必死になってんだろ。
ナギの恋人でも親しい友人でもないのに、何をいうっていうのか。
さっきの衝動なんて嘘みたいに消え失せてしまって私はUターンして、学校に向かった⋯⋯。
それから数日ーー。
ソラとナギは最近学校にきていない。
仕事のほうが忙しいようだった。
二つのグループを掛け持ちしてるナギなんて特にだ。
休み時間。
喋ったり動いたりという気力もなく、机に肘をついてぼーっと外を眺める。
ナギ⋯⋯今頃仕事してんのかね⋯⋯
「愛川~、先輩来てっぞ~」
剛田くんにそういわれ、
「あ~、わかった」
と返事をして立ち上がる。
部長とかかな?そう思って戸のところにいくとれん兄がいた。
同クラの女子のみならず他クラスの女子も集まってきていてキャーキャーいってる。
まあ、確かにれん兄イケメンさんだもんねー。校内でも結構有名人だし。
でも、いまやアイドル。人気ないほうがおかしいんだ。
「莉音、これ」
そういってれん兄が私の手に握らせたのはなにかのチケット。
「なに?これ」
「HRNのファーストライブのだよ」
と控えめな声でいうれん兄に対し、私は嬉しさで飛び上がってしまう。危うく奇声あげるとこだった。
「きて⋯⋯くれる?」
「いくっ!!!!」
「良かった。じゃ、待ってるからね。」
そういって微笑むれん兄に天にものぼりそうな気分になる。
「そういえば、今日部活は?」
「あるよ」
「じゃあ、部活終わったら校門のとこにきて。一緒に帰ろ」
そういってまたも微笑むと片手をあげてスタスタと去っていく。
心臓がドキドキいってる。
確かに今までもそういうのはあったけどなんか、これは初めて⋯⋯
あいつに対してなら何度か抱いたドキドキが自分を包んでいく。
私は女子達のビームのような視線も気にせずにほわほわとした気持ちで教室に戻った。